先日、フランス人と打ち合わせをしていて、気付いたことがあります。
僕は以前から、外国語での日常会話とビジネス会話では、ビジネス会話の方が何となく簡単だと感じていたのですが、その理由が何となく分かったのです。
フランス語でも、英語でも同じだと思いますが、一般的に外国語の難易度というのは、まず、日常会話レベルがあり、その上にステップアップとしてビジネスレベルがあるというようになっていると思います。
しかし、この捉え方は、必ずしも現実には即していません。
僕の英語力がどれくらいかと言うと、TOEIC630点ですが(最後に受けたのは5年以上前なので、今はもっと取れると信じたい)、普段フランス語で仕事をしているので、英語よりはフランス語の方が得意です。
それでも、毎日、同僚達との会話の中で聞き取れない、分からない部分が多々あります。そんな状態でも、悪戦苦闘しつつ、日々の仕事をこなしています。仕事は何とかこなせていますが、日常的な雑談になると、本当に分からないことが多いです。全く会話に入れない時もしばしば有ります。
なぜ、ビジネス会話の方が日常会話よりも簡単なのか、それは、端的に言って、相手が自分の言っていることを真剣に聞いてくれるから、です。
その他、共通の前提知識を持っている、スラングがあまり出て来ない、ということも要素としては有りますが、一番基本的な理由はこれ、相手が聞いてくれるということだと思います。
多少アクセントが有っても、文法が間違っていても、お互い仕事の席ですから、相手はこちらの言っていることを理解しようと集中してくれますし、話の途中で割り込んでくることも、少なくなります。これが他愛ない雑談であれば、話すスピードが遅かったり、単語が出てこなかったりで、少しでもこちらが隙を作れば、誰かが話し始め、それに対してまた別の人が応えてと、いつの間にかこちらの話が途中であったことなど、すっかり忘れられてしまいます。
それに比べて、相手がこちらの話を最後まで聞こうと意識してくれる場合は、自分のペースで話すことが出来るのでゆっくりで良く、だいぶ気が楽になります。さすがに、自己紹介や基本的な構文が分からないと仕事を進めること自体が難しいと思いますが、基本的な会話が出来れば、日常会話よりもいわゆるビジネス会話の方が簡単に上達するような気がします。
成長のステップとしては、基本会話、ビジネス会話、雑談ということになるのでしょうか。
そんなことに気付いて、僕も、早くフランス語で自由自在に雑談が楽しめるようになりたいと思いつつ、1週間を過ごしていました。