2016年6月11日土曜日

アベノミクスのターミノロジー

首相が消費増税の延期を決定し、参院選の日程が来月の7月10日と決定しました。
アベノミクスの是非、改憲に向けた与党勢力が2/3の議席を獲得するか等、論点は色々あると思いますが、最近、アベノミクス周りで聞こえてくるワーディングにとても違和感を感じているのでそのことについて。

この違和感は、アベノミクスが言われ出した当初から感じていたのですが、ここにきて、政府が進める政策に付けられるキャッチフレーズはますます軽薄なものになっているように思えます。行き当たりばったりというか。
振り返ってみると、3年前、アベノミクスがスタートした時に使われたワードは、まず、

3本の矢

続いて、1本目の矢である日銀の大胆な金融緩和を指して、

異次元緩和



日銀バズーカ(別名日銀砲)

2014年10月には

日銀バズーカ2

まあ、日銀バズーカというワードは政府が使っていたわけではなく、メディアやネットで言われていたわけですが。

その後3年程経った昨年の秋、デフレからの完全脱却の見通しがなかなか立たない中、安倍総理は

新3本の矢

を打ち出しました。
同時に

一億総活躍社会

そして今月、消費税増税の延期と同時に聞こえてくるのは、

アベノミクスのバージョンアップ

アベノミクスのエンジンを最大限にふかし、デフレからの「脱出速度」を更に上げる

アベノミクスのギアアップ

バズーカ、ギアアップ、など聞こえてくる単語がとても政治の話とは思えない。どこかの漫画やゲームの中の話のようです。これらのワードの中身、政策とその効果は果たしてきちんと検証されているのでしょうか。日本経済の回復のために今何よりも必要なのは規制緩和と構造改革、つまりアベノミクスの言葉を使えば3本目の矢ですが、それが放たれる気配は一向に感じられません。